【30歳から新たに始める『へっぽこ釣行記』東京都島ロマン、伊豆大島の旅2!】
2日目の朝は、前日の夜中まで釣りしていたからか全身にビリビリと筋肉痛が走り、
起きたのも9時過ぎ、友人が帰る船まで1時間弱の時間だった。
起きるのが遅かったのは仕方が無いので、一旦追加でサビキとブラクリを買い、
バスが来るまでは元町港で釣りをすることにした。
流石に土曜日だからか、そこそこの人がおり、昨日とほぼ同じ防波堤の真ん中辺りで竿を出す。
相変わらずあたりは続くが正体は見れず、前日の経験からドラグをやや緩めにし、
ヒット時に針が曲げられないように細心の注意を払うが、ブラクリの撚糸では
耐えられないのか、撚糸が切れて針のロストが続く。
あっという間に友人が乗る予定のバスが来てしまい、そこで別れを告げる。
一応、友人はその間にカワハギが釣れていたので全くのボウズという訳ではないが
もっと釣らせてあげたかったな、と思いつつ、見送った。
■昼にその魚は現れた
変わらず大きなあたりがあるが物に出来ず、悔しい思いをしながらも
あわせのタイミング、ドラグの調整、餌の付け方…少しずつ問題を修正しながら
アジの切り身を付けたブラクリを足元に沈める。
勿論、メインの竿は昨日飛び立ってしまったので1mの白い竿だ。
ゴツ、ゴツツン…、大きなあたりがあり、ほんの少しだけ
様子を見る、次だ、次であわせれば…。
一呼吸置き、更に大きなあたりが竿に来た。
全力でフッキングすると、確かな手ごたえがあった!
その直後、凄まじい勢いでドラグがなり、短い竿が限界まで曲がる…。
心臓をバクバクさせながらも、まともにファイトになった事に感謝しつつ
少しずつ少しずつ海面に寄せていく。時折、ドラグをならしながら潜られそうになるが
そうはさせまいとぐいぐいとこの短い竿で引っ張り上げる。
しばらくファイトが続き、なんとか水面の姿が見えるところまで
引き上げ、その姿にアッと息を呑む。事前に聞いていた、
よく釣れるというウツボではない、タイの様なボディが見えてきたのだ。
そして普段釣る小物とは訳が違う、タモが必要なサイズだ。
タモは持っていない、これはまずいと「タモを、タモを借りられませんか!」と周囲の釣り人に声をかける。
…しかし、タイミングと場所が悪かった!
周囲の釣り人は観光がてらの人ばかりでタモが必要な釣りをしている人はいなかった。
逃がしたくない…、そう思った時、念の為と荷造り紐に針を結んだだけの
手作りギャフを用意していた事を思い出した。
いつバレルか分からない、周りの人はタモもない。
これで行くしかないと、竿を脇に挟み、浮かした魚の口にガッチリと針をひっかける!
引っかかったのを確認し、強引に防波堤の上まで引っ張り上げた!!
そして上がってきたのが、この魚だ。
デカい…。
防波堤の、それも真下で釣れるようなサイズでは到底無いかとも思えるような
60pを超えるコロダイ。
竿はこの通りの、1mも無い短い竿。
仕掛けのブラクリは若干針が伸びており、もう少し時間をかけたら
逃げられる可能性すらあった。出発前夜に思いつきで作った手作りギャフが無ければ分からなかった。
これが伊豆大島…、離島の釣り…。無事釣り上げられた感傷に浸る。
普段ならば、横目で羨ましい気持ちで見る側の自分が、
周りから賞賛を受ける側にまわるとは思いもよらなかった。
この後、あまりにもこの一匹で満足してしまった為、
一旦ゲストハウスに戻り休憩を取り、再度夜釣りに出かけるも
前日の夜と同じように、ほとんど仕掛けを破壊されるだけであったが、
パッと見、ドンコの様なこの魚も釣る事ができた。
イタチウオと言うらしく、あまり身は美味しくないそうだ。
捌くのも切れ味の良い包丁でないと上手くいかないとのことで、
素直にリリースし、ゲストハウスへと戻って爆睡。
寝すぎてしまい、気づけば翌日は釣りする時間も無く、
伊豆大島を後にした。
■東京の釣り天国、伊豆大島
終わってみれば、まともな釣果は2匹と数は少ないものの
止まないあたりと、コロダイとのファイト、2匹でも十分すぎる程の楽しみを味わう事ができた。
今でも布団に入る度に、伊豆大島へと釣りに行きたい気持ちを抑える事ができない。
次回は、きちんと対策を練り、挑戦したいと思う。
ちなみに、利用させていただいたゲストハウス「Volcanic Island izuoshima」には、こんな立派な魚拓もあった。
なんと、岡田港の防波堤からあがったクエであり、陸から上げたそうだ。
流石にここまでの化け物は釣る事は無いと思うが、本当に夢のある島という事を実感した。
次回はさらに大物を釣ってやると意気込みながらも、
じっくりと用意を進めるのであった。